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苦い想い

今年のバレンタインデーは休日で新月なのですよ。
この時期にミタテがまだしきたりから解放されてなかったら、せっかくバレンタインでスベテに告白してorされて休日泊まりがけの新月ウハウハでも、また「かけっこ」で終わるのかなとか思った。

閑話休題。

以降、なんか昨日思いついてだーっと書いたミタテのバレンタインネタSS。ごく普通の話です。

23時追記 コミスタ下書き練習兼ねてラフ画追加ー。

崎守御盾は、予期せぬ訪問者から差し出された可愛らしい包みをじっと見つめた。
御盾を真剣な目で見上げるのは、市立中学の制服に身を包んだ男子生徒。
春に日嗣野高校に入学が決まっているとかで、先日応援団の活動を見学に来ていたのは御盾も覚えている。御盾が来月卒業してしまうのを知り、わざわざ神社まで会いに来たらしい。
「応援団で崎守さんを見てファンになりました!……こッここれ受け取って下さいっ!」
緊張のあまり贈り物を差し出す手も声も震えている少年に、掃除の途中だった御盾は箒を持った手を止めて、普段通りの落ち着いた物腰で言った。
「気持ちは有難いが心遣いは無用だ。進学にあたって悩みがあるのなら話は聞くが」
にこりともしないが親身になって答える御盾に、少年は激しく頭を振る。
「違います、バレンタインデーです、今は逆チョコで男が贈ってもおかしくないんです! だからっ……!」
受け取って下さい!興奮してまくし立てる少年に、御盾は微かに眉を上げて無精髭を撫でた。
男が先に渡す逆チョコとかいうものを、御盾もクラスメートの会話から小耳に挟んで知っている。渡すと言っても男から女に贈るという話であったような気がするが、いずれにせよ、同性に贈るパターンが業者の想定外である事はこの少年にとって問題ではないようだった。
必死の形相で包みを差し出す少年をいくらか気の毒そうに見下ろしながら、しかし御盾ははっきり言う。
「そういう理由であれば、尚更貰う訳にはいかんのだ。すまない」
「人にあげてもいいんで、どうか――」
「受け取れん。持って帰ってくれ」
終始淡々と応じる御盾に、少年は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
御盾は小さく息をつくと、大きな手でぽんと軽く少年の肩を叩く。
「俺は入れ違いで卒業してしまうが、もし日嗣野高応援団への入団を考えてくれているなら、今日の貴君の度胸と行動力は十分通用する。それは保証しよう。贈り物を受け取る事は出来ないが、学校で悩むような事があったらまた相談に来るといい」
「!……」
少年は戸惑いと憧憬とが入り交じった眼差しで御盾を見つめる。渡す事を諦めたチョコレートの包みを握り締め、少し逡巡した後、問いかけた。
「崎守さん。あのっ、ひとつだけ……聞いていいですか」
「……何だ?」
「付き合ってる人、いるんですか」
「…………」
御盾は口を開きかけて、しかしふと躊躇って口を噤む。
そのまま考え込んでしまったのを見、少年は御盾を怒らせたと勘違いしたのか、
「あっ、い、いいです! 今日はすみませんでした! ありがとうございました!」
深々と最敬礼して、後も見ずに脱兎の如く駆けていってしまった。
箒を手にしたまま境内に立ち尽くす御盾。
少年に言われるまで気付かなかった。いや、考えないようにしていたのか。
心底惚れ込み、己の全てを許した相手は居る。
居るが、具体的に付き合っているかとなると、言質を取った記憶がない。
そうと気付いた途端に、猛烈に不安になったのだった。
石川全は、自分と付き合っていると思ってくれているのだろうか。
自分が一方的に好いているだけで、他に付き合っている相手がいたとしたら――。
一度気になるとどうにもならなかった。少年の熱意にあてられたのかもしれない。
ふと、少年が差し出したチョコレートの包みを思い出す。
(…………。俺も、全に……)
頭を振って考えを打ち消すが、一方で、全がどんな顔をするか見てみたい気もした。
全は笑って受け取ってくれるか。それとも。
「…………」
御盾は周囲に誰も居ないのを確かめると、箒の柄で己の額を叩いた。

ほんとに昨日勢いで書いたやつなんで、先日呟いたミタテ短編ネタ3本はこれとは関係ないですよっと。
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2010-02-14 : 落書き : コメント : 2 :
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No title
ミタテはバレンタインとか意識しなさそうと思っていましたが、こういうのは良いですね~
受け取らない真剣さというか、やさしさというか、ミタテらしいです^^
というか不安にさせるスベテは本当罪作りだと思います(笑
2010-02-15 01:22 : いなばん URL : 編集
Re: いなばん様
> というか不安にさせるスベテは本当罪作りだと思います(笑

序盤で好きだけど忘れてくれだのゴタゴタしてたからお互い今更聞けないのかもしれない…。
でも「付き合って下さい」「はい」があるとないとじゃ安心感が違う。
聞かないオトナの関係ってやつもあるでしょうが、ミタテはそういう駆け引き抜きだと思うので、
この後聞くか聞かないかって話で自分が短編書けるくらい悩みますw
2010-02-15 22:08 : SantHeim URL : 編集
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